歯の豆知識: 2016年6月アーカイブ
梅雨入りしたところですが、夏を思わせる日ざしもある今日この頃ですね。
そして、まもなく七夕です
美希デンタルクリニックでは毎年この時期に、皆様の短冊を受付にて飾らせていただいております。
お子さまのお願いを拝見しますと、壮大なスケールなものまで ( 笑 ) たくさんあり、とーっても癒やされますよ
さて、皆様、「エステ」はご存知だとは思いますが、「デンタルエステ」は、ご存知ですか?
「デンタルエステ」とは MDE (メディカルデンタルエステ)協会が、名付けた歯科でできるエステのことです。
美容ももちろんですが、歯科医療からのアプローチができる施術のひとつです。
この、「デンタルエステ」ですが、昨今の社会問題になっている「医療費増大」の歯止めをかけるのにも、実は一役かっています!
「医療」ですと行かざるを得ない歯科ですが、エステのように、「癒し」を受けていただき、「行きたくなる場所」にすべく、「デンタルエステ」が、誕生したそうです。
歯科が「行きたくなる場所」になれば、ひどくなる前に早期発見、早期治療にもなりますし、何よりも「予防」ができます!
歯科でも医科でも「予防」=「病気にならないこと」が、社会全体と個人の「医療費削減」にも繋がります!
このデンタルエステセミナーの主催者は、京都府の竹山町森歯科の森院長です。
この「竹山町森歯科」は、京都府北部の日本海側で交通の便がとても良いとは言えない場所にある(森院長ご本人もおっしゃっていました)にもかかわらず、「 3 ヶ月先まで予約がいっぱい」で有名な歯科医院なんです!
セミナー内で森院長のお話の中で印象に残った症例があります。
とある患者様のお話ですが、その患者様は、歯石が沢山ついており重度歯周病でした。
その患者様が、何年かぶりに歯科に来られた時のことです。
何年も歯医者にかかっていないにもかかわらず、歯周病が案外進行していなかったそうです。
そこで森先生は、「わざわざ歯石をとる必要はないのかもしれない」と感じたそうです。
歯科業界では「歯石=歯糞=悪いもの=除去すべきもの」と考えられています。
確かに歯石は除去すべきものではありますが、患者様によっては、歯石除去の時にかなりしみたり、苦痛を感じる方もおられます。
また、あまりにも沢山の歯石がついていれば、麻酔をして、徹底的にお掃除をすることもあります。
しかし、それでは「歯科=医療=行かないといけない場所」になってしまう、とのことでした。
そうではなく、「予防」に重点をおいて、「悪くならないように何もなくても予防のために行く=行きたくなる歯医者にならないといけない」と気付いたそうです。
それには、歯の表面に汚れをつきにくくする、ポリッシングや、トリートメント、そして 「デンタルエステ」が、「歯医者を行きたくなる場所にする最大のツール」とおっしゃっていました。
患者様に「また来たい」と思っていただける歯科医療での施術、それが「デンタルエステ」です!
今回のセミナーでは座学のみで実技練習は残念ながらなかったのですが、MDE協会の岡村先生による「歯肉マッサージ」の説明と実技を見学させていただきました。
あるブログに、「年齢不詳の美魔女の岡村先生」と書いてあり、お目にかかれるのを実は心待ちにしておりました
予想通りのとってもステキな岡村先生でした。
岡村先生は、歯科衛生士という職業を一途に愛する、正真正銘の歯科衛生士なのですが、話し方や立ち居振る舞いが、エステティシャンそのもので、歯科衛生士としても、女子としても、「デンタルエステティシャン」としても、とても参考になり、私の目標となりました
さて、その「歯肉マッサージ」ですが、既に当院でも取り入れております。
この「歯肉マッサージ」を施術させていただいた患者様に、「気持ち良かったー」と言っていただけるのが、衛生士としての最大のお褒めの言葉であります。
そのお言葉を励みに、そのお言葉を目標に、日々努力しております。
今後とも「美希デンタルクリニック」にお越しいただけますように、行きたくなる歯医者になりますように、技術の向上に努めて参ります!
衛生士 榎本 まりこ
まだ 5月なのに真夏日と言われる程暑い日もちらほら ...(*´Д` )
皆様体調等崩されていませんでしょうか。
さて、今回は災害時の口腔ケアについてお話しさせて頂きたいと思います。
記憶にも新しい熊本地震や東日本大震災等の震災で亡くなられた方(震災関連死)の約 4分の 1は肺炎と言われており、そのほとんどが誤嚥性肺炎なのです。
細菌が唾液や胃液と一緒に肺に流れ込んでしまうことで起こる病気のことを指します。
食べ物や飲み物を口にした時、何かの拍子で器官に入ってしまって咳込んだ経験がある方も少なくないでしょう。
このように、誤嚥とは通常食道に入っていくはずの飲食物が気道に入ってしまうことをいいます。
健康な状態であれば咳込むことで吐き出すことが可能ですが、その力が弱まっている時は吐き出すことが出来ずに、細菌が肺に入って繁殖してしまうのです。
誤嚥性肺炎を予防するには、口の中に細菌が多いと肺炎になりやすい為、まずは口の中を清潔に保つことが大切です。
ただし、災害時水や物資等が不足している中、毎日普段通りの歯磨きを行うことは難しいかもしれません。
そこで、災害時でも出来る口腔ケアをご紹介させて頂きます。
歯ブラシが無い時
避難所生活などで歯ブラシがない場合、食後に 30m L程度の水やお茶でしっかりうがいをしましょう。
またハンカチなどを指に巻いて歯を拭い、汚れをとることも効果的です。
だ液には口の中の汚れを洗い出す働きがあります。
水分をできるだけとり、あごの付け根 =耳の真下の部分をマッサージや温めて、だ液を十分に出すよう心がけてください。
ガムを噛むことも唾液を出す助けをしてくれます。
水が少ない時
コップに少量(約 30ml)の水を用意し、歯ブラシを濡らして歯を磨きます。
歯ブラシが汚れてきたらティッシュやウェットティッシュで汚れをふき取りながら歯を磨きます。
最後にコップの水で 2、 3回に分けてすすぎましょう。
適量(約 10mL)をお口に含んで 20秒ほどすすいで後歯磨きします。
水が少ない状況でも、殺菌成分のある液体ハミガキを使うことでお口の中の菌を減らすことができます。
水ですすぐ必要がないことも特徴です。
写真は当院で販売しております液体歯磨き剤ペリオバスターでございます。
いかがでしたでしょうか。
いつ何時何が起こるか分かりません。意外と忘れがちな口腔ケアですが、怠ると死を招く恐れもございます。
知識として頭に入れて頂き、あってはなりませんがいざという時は思い出していただけましたら幸いでございます。
スマイルクリエーター 窪田伶香