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虫歯予防について: 2016年1月アーカイブ

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皆様、明けましておめでとうございます。
衛生士の伊東です。
今年は暖かいお正月でしたが、皆様はどんな風にお過ごしになりましたか?
我が家では、娘と一緒におせち料理を作ったり、またまた家族が増えて5人娘になったりと賑やかなお正月になりました(^^;
元旦には、近所の霊山寺と添御県坐神社にお参りいたしました。
こちらの振舞い甘酒は絶品ですよ!
本年も笑顔で頑張ってまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします

新しい年を迎えるにあたり、大掃除にてお家の中を綺麗になさった方が多いことと思いますが、お口の中はいかがでしょうか?
虫歯が気になる方はいらっしゃいませんでしょうか?( ノД`)

虫歯ができてしまうまでには、一連の流れがあることをご存知ですか?
今回は、どうすれば虫歯を防いでいけるのかを一緒に考えてみましょう!

まず、虫歯は風邪などの感染症と同じだということをお伝えいたします。
そもそも、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌も歯周病菌も存在しません。
お父さんやお母さん、ご兄弟など、周りの人からの主に唾液感染によって伝播してしまいます。
このことから、お母さんを含めご家族皆が、妊娠・出産を迎えるまでにご自身の虫歯治療を終え、口腔内をできるだけ綺麗な状態に保っておくことの大切さがご理解いただけると思います。
虫歯(う蝕)とは、微生物(主にミュータンスレンサ球菌)によって歯の組織が局所的に破壊されていく過程をいいます。
これらのミュータンスレンサ球菌は主に保護者の唾液を介して日常的に乳幼児の口腔に伝播していきます。


しかし、伝播してしまっても、定着するわけではなく、①「一時通過菌」として付着しているに留まります。
伝播を繰り返されるうちに、次第に乳幼児の口腔で増殖し②定着するようになります。

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この状態を「定住菌」といいますが、定住菌の状態では病原性はなく、う蝕は発生しません。
いわゆる「健康保菌者」の状態であるわけですね。
ところが、健康保菌者が砂糖を日常的に摂取するようになると、歯面にバイオフィルムが形成され、ミュータンスレンサ球菌が「バイオフィルム菌」として固着します。
この状態が③感染です。

感染状態が長く続くと、④初期う蝕が発生し、⑤初期う蝕を放置すると虫歯(う蝕)が生じます
このように、ミュータンスレンサ球菌が伝播・付着して定着、感染し、初期う蝕を発症、そしてう蝕が形成されるまでは、少なくとも数ヶ月を要します。
そのため、数ヶ月に1度の定期健診が大切です!!

①~④のステージごとに的確な処置がとれれば、う蝕は発生しないか、発症しても軽微な修復処置に留めることができます。
では、順番にみていきましょう。

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①伝播・付着
ミュータンスレンサ球菌は保護者などの唾液を介して乳幼児に伝播しますが、歯が生えていなければ伝播した菌は定着することはなく、一時通過菌として舌背から食道に落下します。
「歯」という足がかりがないため、食道に転落してしまうのです。
<※伝播の邪魔をするには・・・保護者のミュータンスレンサ球菌を極力減らしましょう!>

②定着
歯が萌出していて、しかも砂糖が日常的に口腔内に存在している場合は、ミュータンスレンサ球菌が急激に増殖します。
砂糖を頻回に摂取すると、ミュータンスレンサ球菌はヒモ状の多糖体をまとい、歯面への付着力が増します。
しかし、この時に保護者が毎日の仕上げ磨きをきちんと行っていれば、菌が定着することはありません。
※砂糖の摂取量が少なければ、歯面に付着したミュータンスレンサ球菌が増殖するだけで、バイオフィルムを形成せず、う蝕は発生しません。

③感染 <生後1年7か月~2年7か月に感染時期が集中!!>
定着後、砂糖の摂取が制限されなければ、ミュータンスレンサ球菌は特有のバイオフィルムを形成します。
そして、直下の歯面のエナメル質が脱灰して硬度が低下します。(=ミュータンスレンサ球菌の感染)
※感染の邪魔をするためには・・・プラークの染色!(ご自宅でも簡単にできます)
バイオフィルムが形成されたプラークは歯磨きだけでは簡単に落ちません。歯磨き後に再度染色液で染め出しをし、残っているプラークをクリニックでPMTCなどにて除去しましょう!

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④初期う蝕の発生
感染により歯面の脱灰が進むと、初期う蝕に至ります。
昔は、う蝕は一歩的に破壊が進行していく疾患、つまり「治らない疾患」と考えられていましたが、初期のう蝕は脱灰と再石灰化が繰り返される動的なプロセスであり、「治すことができる疾患」であることが分かってきています。
初期う蝕を治すために必要なことは、
★う蝕の早期診断
★PMTCによるクリーニング
★フッ化物を組み合わせた再石灰化治療
が挙げられます。

いかがでしょうか?
虫歯ができてしまうまでにはこれだけの流れがあるのです。
乳幼児期の虫歯は親御様の努力で十分に予防できると言えますね。
乳歯の頃に虫歯が多いと、永久歯に生え変わっても同じように虫歯ができやすいので、より注意が必要です。

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そしてもう一つ、虫歯と密接な関係にあるのが食生活です。
極力砂糖を控え、和食を心掛けているとお口の中が汚れにくくなり、虫歯リスクは格段に下がります
そして、より良い食生活は健康への一番の近道だと思います。

今年もしっかりと皆様の健康のお手伝いをさせていただけるように日々努力してまいりますので、何かお困りのことがございましたらお気軽にご相談くださいね。

衛生士 伊東奈美
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