歯は隣り合う歯と咬み合う歯、頬や唇、そして舌の4方向からバランスよく力を受けてそこに位置しています。この4つの力のうち、一方の力が強くもしくは弱く働いてしまうと、歯はたちまち別の方向へ移動してしまいます。

例えば歯が1本抜けてしまうと、残っている歯は抜けてしまったスペースに向けて動きだします。また舌の押し出す力が強かったり、あるいは唇の筋力が弱かったりすると、前歯は前方に動いてしまいます。

このように歯が受ける4つの力のバランスが崩れてしまうことも、歯並びが悪くなる原因の1つです。特に子どもの場合は指しゃぶりや口呼吸、唇を咬むといったクセ、舌の位置などが今後の歯並びに大きな影響を及ぼします。

小児矯正MRCはこのような歯並びに影響を与えるお口周りの筋肉バランスを整えながら、歯並びを本来あるべき位置へと導いていく治療法です。

小児矯正MRCでは、「T4Kトレーナー」と呼ばれるマウスピース型の筋機能矯正装置を使用しながら、お口周りの筋肉をトレーニングしていきます。

T4Kトレーナーは装着することで、お口周りを次のような状態へ導きます。
・口呼吸から鼻呼吸へとうながす
・上下の唇が閉じる
・舌を正しい位置（舌の先端が上顎につく状態）へ置く
・姿勢を正しくする

T4Kトレーナーを毎日装着し、上記のような状態を一定時間保つことで、自然に唇や舌などの筋肉のバランスが整えられていきます。これにより口呼吸やポカン口、舌の突き出しといった悪習癖が改善されます。

T4Kトレーナーは基本的に日中1~2時間と就寝時に装着していただきます。

治療をはじめた頃は、前歯に少し痛みを感じやすいかもしれません。その場合はいったん装着時間を短くし、痛みが治まったら通常通りの使用に戻していきます。

またお子さまが小さいうちは、寝ている間の装着が難しいこともあります。その場合は日中の装着時間を増やすなどして対応していきますので、ご安心ください。

T4Kトレーナーは6~11歳ぐらいのお子さまを対象にしています。ただそれよりも早い時期から以下のような症状が気になるようであれば、ぜひ一度ご相談ください。
・受け口である
・唇を咬む、舌を突き出すなどのクセが目立つ
・口をポカンと開けていることが多い
・寝ている時にいびきをかく
・姿勢が悪い