『歯の神様』

歯科助手の佐藤です。
もうすっかり秋になりましたね。
朝晩の寒暖の差がありますが、皆様お体調など崩されてはいませんか?
皆様は、開運厄除、家内安全、学業成就、合格祈願、交通安全、商売繁盛など様々な事で神社にお参りされる事があるかと思いますが、沢山ある神社の中に歯にご利益のある神社があるのをご存知でしたか?
今回歯にご利益のある神社についてお話しさせていただきたいと思います。
『歯の神様』!?
皆様は、『歯の神様』!?の存在をご存知でしょうか?
そもそも、『歯の神様』の信仰が始まったのは、江戸時代中期~後期頃と言われています。
当時、歯科医にあたる職は「口中医」(こうちゅうい)といわれ、殿様、武将、豪商などの一部権力者、上流階級にしかかかる事が出来なかったと言われています。
庶民には無縁の存在だったそうで、明治時代になるまでは歯痛はじっとこらえるか、草木や水の民間治療しかなかったそうで、自己流で治療し命を落とした事もあったとも言われています。
そんな中、庶民の歯痛対処法の一つとして生まれたのが、「苦しい時の神頼み」「まじない」歯の神様の信仰です。
神様であれば、理屈抜きで助けてくれるかもしれない...という思いから神様に頼らざるを得なかったのです。
現在でも、乳歯が抜けると丈夫な歯に生え変わってほしいという心情から、「上の歯が抜けたら縁の下へ」「下の歯が抜けたら屋根の上に投げる」風習があります。

しれませんが...
日本各地には昔から「歯の神様」が多く存在しているそうです。
歯の痛み、悩みを癒す目的で祈願する、歯の神社、仏閣、石像などが全国で約300カ所ほど祀られているそうです。
その中の一つ、大阪梅田の繁華街に位置しESTというファッションビルの一番端に小さな神社『歯神社』があります。
この神社の存在をご存知でしたでしょうか?
「歯神社」
歯神社の主祭神は、歯神大神(はがみさん)といい、歯、全般の神様として信仰されており、元々この地にあった巨石に神さまが宿っておられると信仰した地元の人々によって、お祀りされるようになったそうです。
1945年大阪大空襲で大阪が焼け野原になった時も歯神社まで火は届かず、戦火を歯止めしたと言われ貴重な史跡だとも言われています。
2000年この歯神社が放火に遭い、その後地元商店街、有志の方々によって再建され新しい姿になったそうです。
「歯神社」の由来
今から数百年前に淀川が氾濫し、このお社の御神体であった巨石が、流れ来る水を「歯止め」し梅田の水没を防いだことから「歯止めの神様」として慕われるようになったと言われています。
語呂合わせで「歯止め」→「歯痛止め」→「歯の神様」になり、歯痛止めにご利益があるお社といわれ、歯に悩む方、歯に関わる方の神様として信仰されるようになったそうです。
「歯神社」、御祭神は「歯神大神」(はがみさん)で歯痛鎮痛、健歯護持、歯業成就、歯止祈願、商売繁盛の御利益があるそうです。
「なで石」
歯神社の本殿の手前に「なで石」と呼ばれる小さな丸石があり、御神体の巨石の欠片とも言われるそうでこの石を2~3度撫でた手で、疾患部をさすれば歯痛が和らぐそうです。
よく見るとタコ焼きのようにもみえます...
現在、歯神社では歯の悩み、歯に対する思いを、「歯の大切さ」「歯磨きは己の心磨き」として今の世に伝え、広く信仰されているそうです。
歯の大神さまの御心として日本、世界中で歯に悩む人々、歯科医、歯科医師を目指す学生さん、歯科技工士など歯の医療に関わる人々や、歯ブラシ、歯磨き粉、歯に関わりのあるお仕事をされている
方々の参拝が多く、歯の大神さまとして慕われているそうです。
毎年6月4日には「歯神社例祭」(通称歯ブラシ感謝祭)が行われ、参拝者の皆様の1年間の歯の健康を祈願し、古くなった歯ブラシを神様にお返しし、新しい歯ブラシを頂く歯ブラシ授与(先着順)の行事もあるそうです。
歯に関する悩みなどある方は、一度「歯神社」に足を運ばれ、神頼みされてみてはいかがでしょうか...
歯科助手 佐藤美布子