正しい歯の磨き方

朝晩少しですが暑さが和らぎ、過ごしやすくなってきたように思います。
秋の訪れが待ち遠しいですね。
さて皆様、毎日行っている歯磨き、ただなんとなく磨いて終わっていませんか?
磨き方一つで虫歯、歯周病の予防につながります!
~ 歯の正しい磨き方 ~
Q.どうして歯磨きをする必要があるのでしょうか?
Ans.虫歯、歯周病の原因は、プラーク(歯垢)に潜む細菌です。プラーク(歯垢)は水に溶けにくく粘着性がある為歯の表面に付着し、うがいでは取り除く事が出来ません。虫歯、歯周病の予防には"歯磨き"によるプラーク除去が重要です。毎日の歯磨きに勝予防はないと言われています。

【歯と歯の間】→ 隣の歯と接する部分はプラークが溜まりやすく、歯ブラシだけでは磨きにくい場所です。
【歯と歯茎の境目】 → 歯と歯肉の境目はプラークが溜まりやすい場所です。歯周病が進行すると歯の根が出てきます。ここは酸に対する耐性が低く、虫歯が非常に出来やすいので注意が必要です。
【噛み合わせ面】 → 奥歯の噛み合わせ面は、デコボコした溝がある為磨き残しの多い場所です。溝くぼみなどを特に意識して、入念にブラッシングしましょう。
◇ 歯ブラシ、歯磨き粉の選び方 ◇
歯ブラシには、形や大きさ、植毛の質や硬さによって色々な種類があります。
<ヘッドの形、大きさ>
ブラシの毛先は尖ったタイプより、フラットで毛先も丸みを帯びたタイプの方が歯垢が除去されやすいそうです。大きさは、上の前歯2本くらいの大きさが目安です。特に奥歯をしっかり磨きたいのであれば、小さ目がオススメです。
<歯ブラシの硬さ>
歯茎が健康な方 → ふつうがオススメです。
歯茎が痛んでいる方 → 柔らかめがオススメです。
歯肉マッサージを目的としたブラッシングには、硬めの歯ブラシが向いているようです。

歯ブラシは使っているうちに徐々に毛先が広がったり、コシが無くなってきますので、効果的なブラッシングが出来ず、歯垢除去の効果が下がるといわれています。1カ月を目安に交換しましょう。
<歯磨き粉>
歯磨き粉には清涼剤が入っている為、少し歯磨きをしただけでさっぱりした気分になります。この清涼剤が現代人の歯を磨く時間を少なくしていると言われています。様々な歯磨き粉がありますが、最近フッ素入りの歯磨き粉が多く出ています。なぜならフッ素には虫歯予防効果があるからです。
◆ フッ素 ◆
・歯のエナメル質の修復を助ける。
・歯のエナメル質を強化して、酸に強い歯にする。
・虫歯菌の働きを弱め、酸を作り出す力を弱くする。
◇ 正しい歯ブラシの持ち方、歯磨きの手順、磨き方 ◇
<歯ブラシの持ち方>
・ペングリップ(鉛筆持ち)→ 細かく磨けて、大人向き。強く磨きすぎると歯や歯茎を傷つけてしまいます。ペングリップで歯ブラシを持ち、軽い力でやさしく磨く。
・パームグリップ(手を握る要領)→ブラッシング圧が強くなりやすく、子ども向き
<歯磨きの手順>
まず、歯を磨く順番を決めましょう!順番を決めて磨く事によって効率よく磨いていく事ができます。一筆書きをするように磨き順序を決めておくと、磨き残しがなくなります。歯ブラシは、歯の表側よりも裏側の方が磨きづらい場所です。集中力のあるうちに、磨きづらい方を先に磨くといいでしょう。ご自分の磨きやすい順番で歯の全てを磨くよう工夫してみましょう♪
<歯の磨き方>
歯磨きをしない人はいないと思いますが...
完璧に歯を磨けてる方も意外と少ないのではないでしょうか?どうせ歯磨きをするのであれば、正しい歯の磨き方を身につけたいですよね!毎日何気なく行っているブラッシングですが、10数種類もブラッシング方法があるのをご存知でしょうか??代表的なブラッシング方法には『スクラッピング法』『バス法』があります。

◇ スクラッピング法(一般的)◇
虫歯予防
スクラッピングとは「こする」いう意味で、ブラシの毛先を歯と歯肉に対して直角(90°)に当てて毛先が歯と歯の間に入る程度に軽く押し付けて、小刻みに左右に振動させ、歯を1本ずつ丁寧に磨く方法です。噛む面も直角(90°)にあて小刻みに往復運動させます。歯肉溝や歯周ポケットの内容物、歯面の汚れ、舌苔などを取り除く方法です。1カ所20~30回虫歯になりやすい場所は、歯と歯との間と奥歯の噛む面ですので、歯ブラシと一緒に"デンタルフロス"の使用をオススメいたします。
※デンタルフロス
デンタルフロスとは、弾力のある糸のような物で、歯と歯の隙間のプラーク除去する清掃道具。
糸状で適当な長さにカットして使用する糸巻きタイプ、持ち手が付いたフロッサーがあります。歯と歯の隙間が狭くて歯間ブラシが通らない方は、デンタルフロスがオススメです。歯と歯の間にデンタルフロスを通し、前後動かしながら少しずつ上下にずらしていき、ゆっくり歯と歯の隙間から外して使用します。歯ブラシ+デンタルフロス使用→プラーク除去率8割

◇ バス法 ◇
歯周病予防
バス法は歯周病予防に効果的なブラッシング方法です。歯と歯肉の境目にブラシの毛先を45度の角度に当て、歯周ポケット内にブラシの先を入れ他の毛束が歯面に当たるようにし、柔らかく小刻みに左右に振動させ、歯を1本ずつ丁寧に磨く方法です。歯ブラシを強く握ってしまうと力が入り、歯肉を傷つけてしまうこともあるので気をつけましょう。歯面の汚れの他に歯肉溝や歯周ポケットの内容物の除去を目的として考案されたそうです。スクラッピング法と比較すると少々難易度が高いですが、歯肉マッサージ効果が高く、毛先が歯周ポケット(歯と歯茎の境目の溝)に入りやすいです。歯周病は歯と歯肉の溝から進むと言われています。歯と歯の間のお掃除には歯ブラシと一緒に"歯間ブラシ"のご使用をオススメいたします。
※歯間ブラシ
この"歯間ブラシ"は、歯と歯の間に詰まった食べ物のカスを取り除く道具だけでなく、実は"歯間ブラシ"の目的は、普通の歯ブラシでは除去できない歯と歯の間に毛先を入れ、プラークを効率的に除去する道具なのです。
入れるだけではなく、針金の先についているブラシの毛先を何度も出し入れし、ゴシゴシ歯に当てることによって汚れが取れるそうです。
歯ブラシ+歯間ブラシ使用→プラーク除去率9割
・歯並びがデコボコしているところは、歯ブラシをたてにして1本1本磨く。
・上の前歯の内側は、歯ブラシをたてにもち毛先を使う。
・上の奥歯の外側は、口を閉じかげんにし、歯ブラシを横にして歯並びにあわせて磨く。
・奥歯の一番後ろも忘れずに。歯ブラシの先端部の毛先を当てて磨く。
・下の奥歯の外側は、口を閉じかげんにし、歯ブラシを確実にあてて磨く。
・前歯の外側は、歯ブラシを横にして、歯並びにあわせて磨く。
・奥歯の内側は、口を大きく開いて歯ブラシを斜めに入れて磨く。
・下の前歯の内側は、歯ブラシをたてにして、先端部の毛先を使う。
◇ プラーク(歯垢)が残りやすいところ ◇
・左右上下の奥歯
・前歯の裏側
・左右の歯がカーブする箇所
・歯並びの悪い箇所
・奥歯の奥側

⇒これらの箇所はプラーク(歯垢)が付きやすく落ちにくので重点的に磨くことが大切です。特に奥歯の奥側は磨きにくので、"ワンタフトブラシ"のご使用をオススメいたします。
歯磨きが終わった後は、"舌と目線"で歯をチェックしましょう。
一通り磨き終ったら舌で歯を触ってみて、鏡で歯全体を目で見てチェック。
歯鏡(デンタルミラー)を使うと歯の裏側、奥歯をチェックするのにとても便利です。
<ワンタフトブラシ>
"ワンタフトブラシ"は、狭い部分まで細かく磨けるワンタフトヘッドでできています。歯面についたプラークをこすり落とすのではなく、毛先でプラークを破壊し毛細管現象でプラークを吸い取る仕組みで歯を清掃します。生え始めの歯や親知らず、複雑な形の歯、歯並びの悪いとろなど...
◇ 食べたら歯磨きの習慣を ◇
飲食後は細菌が糖分を使って酸を作り出だす為、歯の表面は酸性状態となり、カルシウム、リンなどのミネラルが溶けだすといわれています。
口内の歯垢と細菌を取り除く事が重要ですので、食後早めの歯磨きをするのがいいと言われています。
◇ 寝る前の歯磨きが大事!◇
虫歯を防ぐには、唾液の分泌が大事だと言われています。ただ睡眠中は唾液が出にくい為、唾液の威力が弱まり、お口の中の自浄作用が低下するため、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうので、虫歯になる危険性が高いと言われています。寝る前にしっかり歯磨きをして、プラーク(歯垢)を落としておけば、虫歯の危険はある程度防げると言われていますので『寝る前』の"歯磨き"は特に丁寧に磨く事が大切です。
皆様もぜひ、しっかり歯を磨いて歯磨き力を高めて、ご自身で虫歯、歯周病予防をおこないましょう♪
歯科助手 佐藤美布子