乳幼児のサプリメント利用について

先日とっても気になるニュースが目に留まりました。
2013年度に厚生労働省研究班が調査したところ、乳幼児を育てている母親の約 8%が、子どもにサプリメントを与えていることが判明したのです。
与え始めた時期は 2歳が最も多いそうですが、約 1割は 0歳から与え始めているとか ...!

しかし、上記の理由で我が子にサプリメントを与えているにもかかわらず、約3割の母親は、製品名や成分を答えられず、適切に利用されていない実態が明らかとなっています。
では、乳幼児にサプリメントは本当に必要なのでしょうか。
そもそもサプリメントとはいったい何なのでしょうか。
前編後編に分けてその実態を明らかにしていきたいと思います。
前編の今回は、サプリメントそのものについて解明いたします★

はじめに、サプリメントは薬ではありません。
「医薬品」や「医薬部外品」と表示のあるものが薬であり、サプリメントは食品ですので、薬と違い、同じような名称・形の商品でも厳密な規格・基準などの審査を受けておらず、効能や効果を宣伝することも原則禁止されています。
また、サプリメントは、国で認められている「保健機能食品」とそれ以外の「いわゆる健康食品」に分類されています。
国が認めていない「いわゆる健康食品」は、その必要性や効能、安全性が定かではなく、根拠が乏しいものが多くを占めておりますので、保健機能食品とそれ以外のサプリメントの区別が必要です。

インターネットで検索してみると、「子ども用」また「子どもの利用可」とうたわれているサプリメントがたくさん出てきました。
「アトピーに苦しむお子様へ」、「子どもも飲めるダイエットサプリ」、「背が伸びる」等ざっと数百種類はあるサプリの数々 ... 。
しかし、これらのほとんどの製品が、国が安全性・有効性を科学的に評価した保健機能食品ではない為、子どもにとって安全で、必要なものなのか、きちんと科学的な根拠があるのかは確認できておりません。
むしろ、サプリメントの有効性は、成人や中高年で得られた情報が大部分で、子どもで得られたものは極めて少ないのが現状です。

サプリメントの販売サイトを拝見していると、子どもの栄養不足や偏食で悩んでいる母親を煽るかのようにサプリメントの必要性が強調されています。
しかし、その根拠はほとんどなく、単なるイメージに過ぎないことが大半です。
事実、毎年国が行っている栄養調査からも、今の子ども達に、急な対策が必要な栄養素不足はみられないと言えます。
毎日、 3 食の食事( + 適切な間食)をきちんと食べていれば、ほとんどの子どもには特別なサプリメントは必要ないと考えられています。
むしろ安易にサプリメントに頼ることは、子どもが将来健全な食生活をしていくことの障害になるおそれがあります。
子どもにとって、サプリメントの利用は、大人よりも影響を受けやすいので、良い効果よりも悪い影響の方が多いと判断するのが妥当であり、大人と同じように考えて対応するのは正しいとは言えません。
厚生労働省研究班主任研究者の梅垣敬三国立健康・栄養研究所情報センター長も「ビタミンやミネラルも過剰に摂取すれば健康への悪影響が懸念される。
成分の含有量や摂取量に注意してほしい」と話しています。
前編はここまでです★
サプリメント自体を真っ向から否定するつもりはございませんが、サプリメントに頼りすぎると健康を害してしまう可能性があること、サプリメントはあくまでも補助食品であり、基本の食生活や生活習慣があってこそ初めて利用も視野に入れることが出来るのではないでしょうか。
後編では、実際にサプリメントを子どもに与える母親が悩みを持つ、子どもの偏食や栄養についてサプリメントが役立ち、必要なものなのかどうかについて述べていきますので、こうご期待くださいませ (*^^*)
スマイルクリエーター 窪田 伶香