全身疾患と歯科治療

紫陽花が大輪の花を咲かせる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
梅雨空が続きますので、ご自愛くださいませ。
さて、今回は全身疾患と歯科治療についてお話させていただきます。
厚生労働省の人口動態統計(2012年の年間推移)によると、死因順位は 1 位 悪性新生物、 2 位 心疾患、 3 位 肺炎、 4 位 脳血管疾患でした。
現在、歯周病が全身に及ぼす影響が注目され、心臓病になるリスクは2~3倍にあがるといわれています。
また脳梗塞、肺炎、食道癌、糖尿病、早産、高血圧にも歯周病は関与しています。
死因順位の上位が歯周病と大きく関わりがあることがわかります。
口から肛門までは一つながりです。
疾患を治しても歯周病を治さなくては再発します。
疾患のある方は歯周病を疑い、治療されることをおすすめいたします。
よろしければ、以前のブログを参照していただければ、歯周病菌が全身に及ぼす影響がわかりやすいと思います。
濱崎さん『歯周病菌について』
https://www.miki-dental.info/miki-dental-staff-voice/2014/06/post-809.html

それは服用中の薬が歯科治療で問題が起こる可能性があるからです。
医科と連携して万全な体制で治療を行うことが重要になります。
今回は歯科治療において注意が必要な薬剤を以下に3つあげました。
①『骨粗鬆症のビスフォスネート剤』
歯科治療における抜歯や外科処置後の治りを悪くする副作用があり、顎骨壊死の危険性があるといわれています。
②『高血圧治療薬のカルシウム拮抗薬、抗てんかん薬のフェニトイン、臓器移植や自己免疫の病気で用いられるシクロスポリン』
長期の服用で歯肉の過剰な増殖を引き起こし、歯周病を誘発することがあります。
③『血液をサラサラにする薬』
外科処置後に出血が止まりにくくなるため、医科の担当医との相談が必要になります。
歯科治療は全身疾患との関連性を踏まえて行うことが必要です。
初診時に全身疾患、服用中の薬をお知らせください。
気になることがございましたら、お気軽にお声かけくださいませ。
衛生士 中谷真弓