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"食べる"ということ とは!

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皆様こんにちは。衛生士の伊東です。
待ちに待った春ですね!
それぞれの新学年、新生活をスタートさせられた方もたくさんいらっしゃると思いますが、色んな経験や思い出を重ねながら、楽しい日々をお過ごしくださいね

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私もこのクリニックに入職して半年が経ち、その中で食に関する様々なことを学ばせていただいているのですが、今回は"食べる"ということについて書いてみたいと思います

日々、当たり前のように行っている"食べる"行為ですが、口から入った飲食物が咀嚼(噛むこと)され、食道に導かれるまでの僅か数秒の間には、実に様々な工程を経ています。
摂食(食べ物を口に取り込む)・嚥下(飲み込む)の流れは5つの段階に分かれています。

まず、一つ目に『先行期』です。
摂食・嚥下の機能は、食物が口に入る前から始まります。
目の前に食物が置かれ、視覚や嗅覚によって確認されることで、全身が食物の消化吸収の準備に入るのです。
梅干しを見るだけで唾液が出たり、ケーキを見るだけで、なんと膵臓からはインシュリンの分泌が始まるそうです。
食べ物が口に入る前から、体はすでに準備を始めていることに驚きますね。

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そして、次に『準備期』です。
唇に食物が触れると、その形状や硬さの情報が入り、どの程度の大きさや強さで噛み切るのかを判定します。
前歯で噛み切られた食物は口腔内へ取り込まれ、舌や歯でさらに食物に関する情報を捉えて咀嚼(噛む)します。
この際、食物は唾液と混ざり合いながら、飲み込みやすい形状へと作られていくのです。
咀嚼の一連の流れでは、上下の奥歯が噛み合ってすりつぶされ、歯の表面からこぼれ落ちた食物は、舌によりすくわれて再び歯の上に乗り、またすりつぶされることを繰り返します。
つまり、歯だけでなく、舌や粘膜、頬の内側の筋肉も大きく関わっているのですね。
3つ目の『口腔期』
飲み込みやすい形になった食塊は、舌で上顎に押し付けられて喉の奥へと送られます。
喉の下方は食道と気管に分かれていますが、舌運動などによって食塊は食道へと誘導されます。
入れ歯が合っていない場合や、口腔機能の低下により入れ歯を使いこなせていないと、舌が大きく動いてしまうので飲み込みにも影響を与えてしまいます。

4つ目の『咽頭期』が、飲み込みのクライマックスです。
食物が鼻や気管に入って窒息することのないよう、呼吸は強制的に約0.5秒間止まり、この間に食塊が食道へ入ります。
実際に自分が食事する際に意識することはありませんが、咽頭期には呼吸のコントロールまで大きく関わっていることが分かります。

最後に『食道期』です。
無事に食道へと運ばれた食塊は、食道の筋肉の運動により胃の方向へと進みます。
そして食塊を飲み込んだ後の食道の入り口はしっかり閉鎖され、胃からの逆流を防ぎます。
食後、すぐに横になると胃からの逆流が起こりやすいため、普段から胸焼けの症状がある方は、食後1時間ほど60度以上背中を起こした姿勢を保つと良いそうですよ。

 
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このように、たくさんの機能の連携プレーによって『食べる』という一連の作業が成り立っています。高齢化社会の中、誤嚥性肺炎の話題もよく耳にしますが、"よく噛むこと"が一番の誤嚥防止につながります。
よく噛むためには、当然歯や歯茎、歯を支えている顎の骨、全てが健康でなければなりません。
お口の中の健康は、生きる源である『お口からしっかり食べる』ことに直結するわけですから、いつまでもお口全体の健康を保っていくことが長生きにもつながることは言うまでもありません。
皆様も、当院でのクリーニングや定期健診をご活用されながら、健康管理同様に日頃からお口の中の健康維持にも努めていただけたら...と願っています。

衛生士 伊東奈美
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このページは、miki-dentalが2014年4月23日 18:36に書いたブログ記事です。

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